歯車噺

このカードは特殊召喚することができない

はじめまして。宇都宮で遊戯王をしているぎあという者です。

今回はオルターガイストについて自分の知っている立ち回り、子技について書きたいと思ってこの記事を書くことにしました。というのも、オルターガイスト=プレイングが難しい=使わないといった選択をしている人が実は一定数いるんじゃないかと思ったからです。
確かにオルターガイストは回すのが難しいデッキです。相手のデッキタイプによって立ち回りも変えていかなければならず、一つミスしてしまうと一気に盤面が総崩れしてしまうので、他のデッキよりも一つのミスが致命傷になりやすいデッキです。

しかしながらうまく回せた時の高揚感は、他の追随を許さないレベルだと個人的には思っています。
そこで今回はオルターガイストというデッキの敷居を少しでも低くすることが出来たらいいなと思ってこの記事を書くことにしました。

何かと拙いところはあるかと思いますが、何卒よろしくお願いします。

〜代表的なオルターガイストカード〜

オルターガイストはカードの種類こそ少ないものの、一枚一枚が優秀です。今回はその中でも大会環境で使用率の高いカードを中心に紹介していきたいとおもいます。もちろんここで紹介しなかったカードも今後のカードプールの変化や制限改訂によって評価が見直されるなんてこともあると思うのでその時はまた記事を書き直そうと思います。

【モンスター編】

《オルターガイストメリュシーク》

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このデッキの初動を担うモンスターであり、オルターガイストの強さを象徴しているような一枚。相手に戦闘ダメージを与えることで相手フィールド上のカードを一枚対象にとり墓地に送ることが出来るので、破壊耐性持ちのモンスターを処理したり、展開前に伏せカードを除去し、安全を確保した状態でメインフェイズ2に盤面を整えるといった動きをすることが可能です。
しかしながら攻撃力が500しかないので閃刀姫シズクの効果によって攻撃力を下げられたりすると墓地送り効果を使用することが出来なくなるので注意しましょう。閃刀姫と対戦時には相手の墓地に魔法カードが5枚貯まる前にマウントを取りに行かないとできる選択肢が徐々に減っていくので序盤の組み立て方が特に重要です。

②の効果はリンクリボーに変換することで即座に発動することができます。

一応リンクリボー以外にも転生炎獣アルミラージ、サクリファイスアニマにも変換することが出来るので、強欲で金満な壺のコストでリンクリボーが飛んでしまった場合はそれらのモンスターに変換してサーチ効果を使うのがおすすめです。もちろんアルミラージとサクリファイスアニマがリンクリボーの下位交換ということではなく、たとえばサクリファイスアニマは閃刀姫モンスターを吸収することで墓地のレイ効果を使用させずに盤面を処理することが出来ますし、アルミラージは相手のアフターバーナーをケアすることができます。サクリファイスアニマに関しては転生炎獣、サンダードラゴンを相手にする際にも重宝します。

《オルターガイストマルチフェイカー》

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このデッキの心臓と言っても過言ではないカードです。何度も規制を受けて弱体化したオルターガイストが環境上位に踏みとどまっているのはこのカードが存在しているからと言っても過言ではありません。このカードが3枚詰めた頃は無限泡影とフェイカーを組み合わせることで仮に相手に先行を取られた場合でも、相手のモンスターに無限泡影を発動し、処理後にフェイカーの効果を起動することが出来ました。今はフェイカーが制限になってしまったのでこうした動きをすることは難しくなりましたが、覚えておいて損はないです。

特殊召喚先の候補として真っ先に挙げられるのがオルターガイストシルキタス。このカードに関しては後述しますが、ざっくり言ってしまえばフリーチェーンバウンス効果を持ったオルターガイスト盤マジェスペクターユニコーンといった感じです。シルキタスは効果の発動をする際に場のオルターカードを手札に戻さなければならないので効果を使用したフェイカーを手札に戻すことで次のターンにもう一度起動なんて芸当も可能です。

特にバウンスしたいカードがない場合はメリュシークを特殊召喚しましょう。メリュシークを特殊召喚することで自ターンの動きが強くなります。そうすると次のターンにメリュシークで邪魔なカードを剥がしてからメイン2でメリュシークとフェイカーを混ぜてヘクスティア、メリュシークの効果でマリオネッターサーチ、マリオネッター効果でヘクスティアを墓地に送ってフェイカーを蘇生、ヘクスティアの効果で任意のオルターカードをサーチ、フェイカーの効果でデッキから任意のオルターガイストモンスターをリクルート、といった強い動きをすることが可能です。

バウンスして美味しいカードが少ない閃刀姫を相手にする際はシルキタスよりもアドを増やすことの出来るメリュシークや閃刀機関マルチロールを無効にできるクンティエリをリクルートするのがおすすめです。

《オルターガイストマリオネッター》


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全体的に攻撃力の低いオルターガイストモンスターの中で一番の攻撃力を誇る貴重なアタッカー。召喚に成功さえすればデッキから任意のオルターガイスト罠を伏せることが出来ます。相手の効果を止めたいのならオルターガイストプロトコルを。モンスターの数を増やしたければマテリアリゼーションを。既に伏せてあるプロトコルに対しての除去をケアしたいのならエミュレルフを。といった感じに状況に合わせて柔軟に対応できるのが売りです。

二つ目の効果も強力です。オルターガイストモンスターは墓地に送られると発動する効果を持ったモンスターが非常に多く、マリオネッターを絡めることでアドバンテージを確実に増やしていくことができます。これはマリオネッターにも言えることですが、オルターガイストモンスターは1を2にすることが非常に得意なカード群です。瞬間的な爆発力こそないものの、試合が長引けば長引くほどアドバンテージの差が拡大していくので気がついたときにはアドバンテージの差が10枚を越えているなんてこともたまにあります。

ただしマリオネッターの効果はあくまでも自分フィールド上のオルターガイストカードを墓地に送らなければ使用することが出来ないため、効果解決時に対象にしたオルターガイストカードがフィールドから消えてしまって場合、効果が不発になってしまうので注意が必要です。たとえばマリオネッターの効果を発動し、自信を対象としたときに相手が幽鬼うさぎを使用してきた場合、マリオネッターは破壊され、効果は不発に終わってしまいます。出来ることなら墓地に送られると効果を発動することの出来るオルターガイストカードと組み合わせてアドバンテージを得ながら展開していくのが理想的です。

《オルターガイストシルキタス》

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メインデッキに投入できるカードの中で唯一能動的に相手の行動を妨害することが出来る極めて強力な効果を持ったモンスターです。コストとして戻すカードはオルターガイストカードならばなんでもよく、効果を使用したマルチフェイカーなどは特に戻したいカードの1枚です。特に今期はDDクロウと墓穴の指名者の採用率が非常に高いのでなんの考えもなしにマルチフェイカーを墓地に送るのは危険な行為です。

他にも効果を発動し表側になったマテリアリゼーションをコストとして戻すことでオルターガイストモンスターを完全蘇生させたり、罠カードを発動した処理後に場のフェイカーをコストに相手のカードをバウンス、そのままフェイカーの効果を起動なんて芸当もできます。相手モンスターの攻撃宣言時に場のクンティエリをコストとして戻し、そのままクンティエリの効果を発動なんてプレイも素敵です。強力な効果を持ったモンスターですが、素引すると弱いので採用枚数は2枚に抑えるのがオーソドックスです。

《オルターガイストクンティエリ》

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相手の攻撃を止めつつ、カードの効果を無効にできるかゆいところに手が届くこのデッキにおける防御の要です。守備力も2400とかなり高く、二番目の無効効果を維持するのにも役立ちます。ターン1制限もないため、シルキタスのコストで手札に戻すことでもう一度効果を使用することもできます。

とはいえ他のオルターガイストカードと違ってこのカード単体ではアドバンテージを増やすことが出来ないので採用は一枚に留まることが多いです。

以上がメインデッキに投入されることが多いカードです。比率的には

マルチフェイカー 1
マリオネッター 3
メリュシーク 3
シルキタス 2
クンティエリ 1

といった構成がオーソドックスです。マルチフェイカーは制限カードなので1枚、マリオネッターとメリュシークは先行一ターン目に召喚してアドバンテージを増やしに行くことが出来るので3枚ずつ、シルキタスは素引してしまうと弱いので2枚、クンティエリも1枚あれぱ充分な場合がほとんどなので1枚採用が無難です。
モンスターに関しては以上です。オルターガイスト以外のモンスターに関してはマルチフェイカーの制約効果によってオルターガイストモンスター以外の特殊召喚を行うことが出来なくなるので、手札誘発系のモンスターを多く採用するのがセオリーです。

続いてエクストラデッキに採用されるオルターガイストカードについて解説します。

《オルターガイストヘクスティア》

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全ての効果が強いです。
オルターガイストはとどのつまり如何に相手の行動を妨害しつつ、自分のリソースを確保していくかというデッキです。そしてこのオルターガイストヘクスティアはそれらの課題をクリアーすることに長けたまさにオルターガイストの潤滑油のような存在です。

①の効果は打点上昇。基本的にオルターガイストモンスターは打点が低く、このカードもご多分にもれず攻撃力1500と下級モンスターのような攻撃力ですが、自身のリンク先に存在するオルターガイストモンスターの攻撃力分、自身の攻撃力があがるので、マリオネッターがリンク先にいる場合、攻撃力が3100ポイントに上昇するので大抵のモンスターを戦闘破壊することができます。オルターガイストはメリュシークとシルキタスによって相手の盤面に干渉するのが得意なデッキですが、効果の対象にならないカードに対しては処理するのが苦手で、状況によっては詰んでしまうこともあります。ヘクスティアはそうしたオルターガイストの弱点を打点によって克服することができるので攻撃面で非常に重要です。
②の効果は自身のリンク先のオルターガイストモンスターをリリースすることで相手の魔法罠の効果の発動を無効にし、破壊するというもの。この効果によって相手の魔法罠を無効化しながら徐々にアドバンテージの差を広げていくのがオルターガイストの主戦術とも言えます。無効効果にターン1制限がないのも強力で、マルチフェイカー、マテリアリゼーション、エミュレルフ、プライムバンシー、などでリンク先にオルターガイストモンスターを特殊召喚することができれば3妨害、4妨害、と十重二十重の妨害を敷くことが可能です。むろんリンク先にモンスターが存在しなくなると自身の攻撃力も元に戻ってしまうので、何を無効にするかについてはよく見極める必要があります。
③の効果は墓地に送られた際にオルターガイストカードをサーチできるというもの。リンク召喚、マリオネッターの効果、プロトコルのコスト、等、このカードを墓地に送る手段は豊富なので積極的に狙っていきたいところです。
しかもメリュシークと違ってオルターガイスト罠もサーチできるのが非常に強力です。マリオネッターやシルキタスなどのマルチフェイカーにアクセスできないカードが初手に来てしまった場合、多少無理してもこのカードをリンク召喚してマルチフェイカーに触りに行くのも悪くない選択肢です。

《オルターガイストプライムバンシー》

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①の効果によって自分フィールドのオルターガイストモンスターを別のオルターガイストモンスターに変換することが出来るので、メリュシークをリリースしてマルチフェイカーを特殊召喚、メリュシークとマルチフェイカーの効果を発動、といったように非常にトリッキーな動きをすることが出来るモンスターです。また、このリクルート効果は誘発即時効果なので、たとえば自分がマリオネッターを召喚した際に相手がエフェクトヴェーラーを発動し効果を無効にしてきた場合、プライムバンシーの効果でマリオネッターをリリースすることでエフェクトヴェーラーの効果を不発にすることもできます。
②の効果はオルターガイストカードのサルベージ。自信をリンク素材にしてアストラムやヘクスティアをリンク召喚し、墓地のマルチフェイカーを回収すると言った流れが非常に強力。このカードでリソースを確保しつつ、相手の息切れを狙いに行くところまで来てしまえばほぼ詰みなのでヘクスティアを踏み台にしてプライムバンシー、プライムバンシーを踏み台にしてヘクスティアといったように動きながら徐々に相手ターンに行える妨害数を増やしていくと勝率が劇的に上昇すると思います。

【罠カード編】

現状オルターガイストの名称を有する罠カードは5枚存在します。そのうち「オルターガイストホーンテッドロック」「オルターガイストカモフラージュ」は使用用途が限られるので採用されることはほぼありません。しかしながらホーンテッドロックはオルターガイストカードの効果でセットされた場合、伏せられたターンでも発動することが出来るので、手札にメリュシークやマルチフェイカーがいる場合、相手ターンを待つことなく自分ターンで盤面を形成することができないのでそこまで弱いカードとは言いきれず、罠カードが環境に延るようになれば自ずと評価は持ち直すと思います。
カモフラージュは黎明期のオルターガイストでは採用されていましたが、現在ほとんど採用されていません。

《オルターガイストプロトコル

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オルターガイスト罠の中でも屈指のパワーを持った永続罠。効果は至ってシンプルで効果モンスターの効果の発動をオルターガイストカードを墓地に送ることで無効にするというもの。この無効効果はあらゆる範囲の発動に対応するため、手札誘発だろうと墓地効果だろうと、しっかり止めてくれます。ダメージステップでも発動可能なのも強みのひとつです。もし仮に手札にプロトコルがだぶったとしてもプロトコルを墓地に送ってプロトコルを発動することも出来るので気兼ねなく複数枚採用することができます。マリオネッターが手札にある状態で相手ターンに妨害する手段が少ない場合は、優先的にマリオネッターの効果でセットしておきたい1枚です。

更にこのカードがフィールドで表側表示で存在している場合、フィールドで発動したオルターガイストモンスターの効果は相手のカード効果によって無効化されることがありません。なのでフィールドで発動したフェイカーの効果に相手がエフェクトヴェーラーや灰流うららを発動したとしても伏せてあるこのカードを表にするだけでそれらの効果を不発に終わらせることができます。

総じてオルターガイストデッキにおいて優先度の高い罠カードで、2〜3枚の採用が見込まれます。

《オルターガイストマテリアリゼーション》

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墓地のオルターガイストを攻撃表示で蘇生し、発動後は装備カードとして場に残り続ける鎖付きブーメランのような通常罠カード。ただし装備カード扱いのこのカードがフィールドから離れた場合、装備されたモンスターは破壊されてしまいます。

テキストだけ読むとただのテーマ内蘇生カードのように思いますが、オルターガイストにおいてはこのカードが通常罠カードであることを利用して、リソースを確保し続けることができます。
手順は以下の通りです。

① 自分フィールドにシルキタスがいる状態で、マテリアリゼーションを発動

② その効果にチェーンしてシルキタスの効果を発動 コストはマテリアリゼーション

③ シルキタスの効果で相手のカード一枚をバウンス

④ マテリアリゼーションの効果で墓地からオルターガイストモンスターを完全蘇生

このように装備カード扱いになる前の段階でマテリアリゼーションをフィールドから切り離してしまえばデメリットが完全に消え去り、アドバンテージだけが残ります。変わったところではマテリアリゼーションの効果に相手が増殖するGを発動してきた場合に、プロトコルの効果でマテリアリゼーションを墓地に送ることでも似たような動きをすることが可能です。パーソナルスプーフィングのコストとしてデッキに戻してもOKです。

また、マテリアリゼーションには墓地の自身を除外することで他のオルターガイスト罠を墓地から回収する効果もあるので、仮に墓地に送られたとしても次の展開への布石にすることができるので、墓地に送るべきか、コストとしてバウンスするべきかは状況を見て判断しましょう。

《オルターガイストエミュレルフ》

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オルターガイストの名を有する罠モンスター。このカードをデッキに入れておくことで、マリオネッターからの選択肢が増えるので、一枚採用しておくのがオススメです。たとえば自分の手札にマリオネッターしかオルターガイストモンスターがいない場合には、このカードをセットすることで次のターンにマリオネッターとエミュレルフでヘクスティアをリンク召喚し、マルチフェイカーにアクセスしに行くことができます。もちろん神の宣告や神の警告などの強力な妨害カードがない場合はマリオネッターが破壊されてしまうだけなので妨害が足りないと思ったらプロトコルをセットし、トップにお祈りすることも必要です。これはまあ自分への戒めでもあるのですが、オルターガイストを回す上で最も重要なことの一つが欲張らないことです。オルターガイストはアドバンテージを得る手段が豊富に存在するので、ついつい目先のアドバンテージを追いかけたくなるのですが、その結果踏まなくてもいいはずの誘発や罠を踏んでその結果負けるなんてこともあります。なのでリスクを最小限に抑えて確実なリターンを追求していくのが大切です。もちろん状況次第ではリスクを取らざるを得ない局面も存在するのですが。
②の効果はオルターガイスト罠を破壊、効果の対象から守るというもの。この効果によって相手のツインツイスターやサイクロンにチェーンして発動することで、プロトコルを守ることが可能です。ただし、破壊を介さないコズミックサイクロンをケアするのであれば対象に取られる前に発動しておかなければならないので、先打ちするかチェーンして発動するかはよく考える必要があります。
気をつけておいてほしいのは、このカードが自分の場にある時、自分自身もオルターガイスト罠を対象にとることができなくなるということです。なのでマリオネッターの効果で墓地からオルターガイストモンスターを蘇生する場合は、このカードをリンク召喚のコストにするか、スプーフィングによってデッキに戻す、もしくはシルキタスのコストにするなどでフィールドから切り離さなければなりません。あまり遭遇しない状況ではあるかもしれませんが、覚えておいて損はないです。
特に相性のいいカードがオルターガイストシルキタス。シルキタスとエミュレルフを素材にヘクスティアをリンク召喚することで墓地からこのカードを回収し、相手ターンにヘクスティアのリンク先にエミュレルフを特殊召喚することで妨害を構えることが可能です。

・以上がメインデッキとエクストラデッキに主に採用されるオルターガイストカードとなります。デッキの立ち回りや細かいプレイングの注意点、サイドチェンジ、などにつきましては、また記事を書くことにします。

お付き合いいただきありがとうございました。それでは!